髄膜腫

(ずいまくしゅ)


● 髄膜腫とは?


髄膜腫のMRI画像と剖検による髄膜種の画像との比較で、治療が難しい部位がわかります。
重要な構造物や手術が難しい部位に生じた髄膜腫
わかりやすい髄膜腫と脳の関係を示したイラストです。
髄膜(硬膜)より発生した巨大髄膜腫


『髄膜』とは、脳および脊髄を保護するために脳や脊髄を包んでいる膜(軟膜、くも膜、硬膜)の総称です。この髄膜と呼ばれる膜の細胞からできる腫瘍を髄膜腫といいます。脳は頭蓋骨の中にありますので、髄膜腫が徐々に大きくなると、頭蓋骨の中で大きくなるため、腫瘍近辺にある脳を圧迫するようになります。原発性脳腫瘍の代表的な腫瘍で、脳腫瘍全体の約27%を占めています。

 中高年者に発生しやすく、女性(特に中年女性)に多く認められます。ほとんどは良性です。通常は、一つ(単発)ですが、いくつもできている事もあります(多発性;1-3%)

 


● 髄膜腫の診断


 

髄膜腫は、CT検査もしくはMRI検査にて診断されます。CT検査では、腫瘍が小さい髄膜腫の診断が難しいため、MRI検査が診断にて適した検査です。腫瘍が疑われた場合は、造影剤を用いた検査を行って、造影剤に染まった腫瘍の部位や造影所見にて髄膜腫の診断がされます。

脳を包む膜を髄膜と呼びます脳についた状態で2枚(軟膜・くも膜)、脳についていない状態で脳の外側(=頭蓋骨の内側)に1枚(硬膜)ありますので,頭を輪切りにした画像検査(CT,MRI)では脳と頭蓋骨の間に認められるのが画像での特徴で一般的です。

開頭手術のイラスト;髄膜腫の発生する髄膜をわかりやすく說明します。
髄膜の位置(硬膜・くも膜・軟膜) ;  頭蓋骨→硬膜→くも膜→軟膜→脳

脳を包む膜を髄膜と呼びます。脳についた状態で2枚(軟膜・くも膜)脳についていない状態で脳の外側(=頭蓋骨の内側)に1枚(硬膜)あります。


○  髄膜腫のMRI画像

いろいろな場所にできる髄膜腫をわかりやすく理解するためのMRI、CT画像をお見せします。
       頭蓋骨の内側(髄膜)にできるため、CT・MRI画像では骨の内側に認められる事が多い

頭を輪切りにした画像検査(CT,MRI)では脳と頭蓋骨の間に認められるのが画像での特徴で一般的です。似たような画像ですが、髄膜腫の硬さや柔らかさ、脳表面との癒着や浸潤、腫瘍血管の発達等は手術時ではないと確認はできません。