外来にて痛みの出現の時期や経過をお聞きしただけでは、舌咽神経痛の診断はできません。画像検査を行い舌咽神経の走行を確認したり痛みの原因となっている腫瘍の有無、痛みに関わる脳疾患(脳梗塞や感染症)の有無を評価した上で舌咽神経痛の診断をします。
頭蓋骨の外から中へ舌咽神経の走行して脳に繋がります。頭蓋骨の形状には個人差はありますので、かなり細い舌咽神経のため脳に入る舌咽神経の角度を考慮してMRI撮影をします。
頭部MRI検査の特殊な撮影法で舌咽神経の走行を確認します。舌咽神経神経は左右1本ずつあるので、痛む方の舌咽神経をの走行を見ます。黄色い▲で示した線が、舌咽神経になります。
痛みを生じている側の舌咽神経の走行と血管を撮影したMRI画像です。
舌咽神経痛の患者さんのMRI画像です。舌咽神経(黄色い▲で示した線)が、根元(神経が脳に入り込む部分/写真中の赤い↑で示した部分)に、血管の丸い断面が認められます。これが、舌咽神経の根元を圧迫している血管(動脈)になります。これにより痛みが生じています。
別の舌咽神経痛の患者さんのMRI画像です。舌咽神経(黄色い▲で示した線)が、血管(写真中の青い↑)に引っ張られています。さらに、舌咽神経の根元(神経が脳に入り込む部分/写真中の赤い↑で示した部分)に、血管の丸い断面が認められます。これが、舌咽神経の根元を圧迫している血管(動脈)になります。これらにより痛みが生じています。
手術(鍵穴手術)により舌咽神経を圧迫している血管を移動させる前と後のMRI画像です。
手術をした舌咽神経痛の患者さんの手術前後のMRI画像です。手術前にS字状に走行して舌咽神経の根元を圧迫している血管(動脈/写真中の赤丸の点線内)が、認められます。手術により血管の走行を変えた事により、舌咽神経から離れ圧迫が解除されています(写真中の赤丸の点線内)。これで痛みは消失します。