1.類表皮嚢胞・類表皮腫

                 

2.類皮腫・類皮腫

 


1.類表皮嚢胞・類表皮腫

母親の胎内で、いろいろな細胞が集まり発達して器官(臓器)となった後に、なくなるはずの細胞の集まりが、時々残ってしまう事があります。それを胎生期遺残組織といいます。表皮(毛などの皮膚附属器は含まない)に由来するこれから発生する非腫瘍性の嚢胞性病変です(嚢胞および腫瘍類似病変と言います)。

 


頭蓋内の何処にでもできます。特に多い場所は、小脳橋角部という耳の位置に近い後頭蓋窩内です。嚢胞(袋状)でケラチンという内容物を含みます(白くて真珠のような光沢をもちます)。また、コレステリンという細胞分解物を豊富に含んでいます。


症状


(1). 症状は、病変による周辺神経組織への機械的圧迫です。

             ⇒三叉神経痛-顔の痛み、顔面痙攣、複視-物が2重に見える、

      聴力低下、のどや頚部の痛み等を認めます。

 

(2). 圧迫による髄液の循環障害が生じる

                        ⇒ 頭蓋内圧亢進症状-頭痛、水頭症を認めます。

 

(3). 内容物を包んでいる被膜が、破れる

                 ⇒ 無菌性髄膜炎(発熱を伴う持続する後頭部痛)などの

           炎症を起こします。


すでに症状が認めらてれたり、診断後の経過で増大傾向を認めた場合は手術の適応になります。また、リスクの低い手術が予測されるような場合にも治療を勧める事があります。

手術は、被膜内容物の摘出と被膜摘出になります。全摘出できずに被膜が残ると、再発のリスクがあります。手術には、術中部位や所見に応じての注意点や摘出判断が大切になります(ポイントとコツがあります)。特に、小脳橋角部や脳幹部付近に発生した病変では、大きな合併症が出現するリスクがあるので、術前によく担当医から話を聞きましょう。悪性変化(扁平上皮癌)の報告がありますが、かなり稀です。


2.類皮腫・類皮腫


類上皮腫とは異なり、皮膚および皮膚附属器(毛嚢・汗腺・皮脂腺)よりなる非腫瘍性の嚢胞性病変です(嚢胞および腫瘍類似病変)。


ほとんどが、耳の奥にある後頭蓋窩にできます。症状は、類上皮腫と似ていますが、嚢胞の破裂による痙攣発作(けいれんほっさ)や髄膜炎が比較的多いです。手術で見えにくい部位にできる事が多く、腫瘍境界部の癒着等も強い場合があるので、全摘出は必ずしも簡単ではありません。かなり稀ですが、悪性化されたとの報告があります。