【全身麻酔】について


外来の手術相談の際に、全身麻酔に対する心配をされている患者さんやご家族がいらっしゃいますので簡単に説明します。


治療のために行う手術での痛みを含むストレスを患者さんが感じない様にするために、麻酔薬を投与します。麻酔には、「全身麻酔」と「局所麻酔」がありますが、脳外科の手術で用いる麻酔は、ほとんどが「全身麻酔」です。

 

体の一部だけ感覚を鈍らせる(失わせる)「局所麻酔」があります。脳だけに局所麻酔をする事はできません。よって、全身に麻酔をかける「全身麻酔」となります。麻酔薬投与後より意識が消失します。手術終了後に麻酔薬投与を止めた後に目を覚ます事になります。

 

 

だんだん眠くなり、目が覚めたら手術が終了しています。局所麻酔では、局所の痛みがなくなりますが、意識はありますので緊張したり、手術器具の操作する音や会話が聞こえます。治療が終わってから目が覚める全身麻酔は手術中の心的負荷はありません。


【手術前日】

全身麻酔開始から麻酔後の嘔吐を防ぐ目的で、手術前日の夜から水や食べ物を摂取する事はできません(薬を飲むなどの例外あり)。


【手術当日】

(病棟にて)

 

 

手術当日から翌日午前中位まで、麻酔薬の影響を考慮し水を飲んだり食事をとる事はできません。手術室入室前に看護師が点滴をつけます(バックに入った薬剤や糖分などのカロリーのある液体が、つなげられた管を通じて腕の血管に注射された部位より投与する方法のことです)。この点滴より必要な水分や最低限のカロリーをとります。


 手術室入室時間)

 

手術室への入室は、通常午前9時15分~10時の間になります。手術時間が短い手術の場合は、1日に2人の患者さんを手術する場合は、午前と午後に分けて手術を予定する事があります。午後から手術を予定を組む場合には、午後1時30分前後の手術室入室となります。

 

            *入室時間は、各科の手術スケジュールにて決まります。

             (手術室入室後)

 

 手術室内入口にて、看護師さんに名前等の確認をされ手術を受ける部屋に行きます。看護師がゆっくり手術ベットに上がって横になるようにサポートしてくれます。心電図、血圧計をセットして後に麻酔科の先生が酸素マスクを口にあてます。ゆっくり呼吸をします。「今から眠くなる薬を入れます」「ゆっくり数を数えて下さい」などの声がかかったらすぐにて意識がなくります。意識が戻った時には手術が終わっています。

全身麻酔の効果により、呼吸は睡眠時よりもさらに浅くなり、体内の酸素が不足してしまいます。よって、全身麻酔の場合は、人工呼吸器による呼吸管理を行います。意識が消失した後に、気管に柔らかいチューブを挿入し口元で固定、人工呼吸器での呼吸で十分な酸素を体内に維持します。麻酔科医師が、血圧・脈拍・体温も含め呼吸器管理をします。

            (手術準備・手術)

 

 

患者さんの全身麻酔による状態が安定した事を確認した後に、手術に必要な体位をとり(手術する部位や方法により異なります)、手術器具を手術室に搬入します。全てが整ってから手術が開始されます。手術室に入室してから約1時間後に手術が開始されます。手術に要する時間は、疾患名や部位、患部の大きさ等により異なります(手術前の説明時に確認して下さい)。

(手術終了後)

 

全身麻酔の投与を終了します。麻酔薬が体内で分解され、意識が徐々に戻り呼吸や血圧の状態が安定した事を確認した後に手術室を出ます。意識が戻った時には手術が終わっており、頭部CT検査を受け病棟に戻ります。

病室に戻り、搬送用ベットから移動した後に看護師が必要な観察項目の確認をした後にご家族の面会が可能となります。帰室時の患者さんの状態にもよりますが、約10~15分位で面会できると思います。手術終了後の患者さんの状態は、疾患や手術時間、病変の大きさ等により異なります。とてもはっきりしている、眠たそう、眠っているみたい、気分が悪いみたい等あります。手術中の所見や術直後の頭部CT検査にて問題ないことが確認されていれば、ゆっくり麻酔薬の効果がなくなるまで様子をみます。