良性腫瘍と悪性腫瘍


簡単に説明するならば、

            どの様にして診断するのかを簡単に説明するならば、


「良性腫瘍」とは、腫瘍の成長がゆっくりな腫瘍を指します。たとえば皮膚にできたイボのようなものを想像してください。それ自体は特に命を奪う程急な成長をしたり、周りに浸潤したり、転移したりする物ではなく、悪いものではありません。しかし頭蓋内にできてしまった物に関しては少し意味合いが変わってきてしまいます。頭蓋内は限られた空間に仕切られています。また周囲には脳や神経といった重要な構造があり、その構造を圧迫することで、腫瘍の存在自体が頭痛、めまい、ふらつき、顔の麻痺、痛み、声がかすれる、手足が動かしにくい、目が見えにくいところがあるなどの神経症状を引き起こす物になってしまいます。故に良性腫瘍と言っても悪い影響が出ないようにしなくてはなりませんので、腫瘍を摘出する必要が出てきます。

しかし、成長が遅くゆっくりとした変化の為に症状が出にくい性質から、発見された時には腫瘍が大きく成長してしまっている事がしばしば見受けられます。近年の画像診断の発達と脳ドックなので普及によって腫瘍が小さい段階で発見される事も多くなってきました。良性腫瘍はできるだけ腫瘍を摘出してあげる事で再発しにくくなり、全摘出をすれば完治も可能であるという性質のものです。

また、手術によって腫瘍の組織を調べる事ができるので、腫瘍がどのような性質の物か、他に追加の治療が必要な物かなどの腫瘍の情報を得るという意味も、手術をする非常に重要な目的に一つでもあります。
この頭蓋底腫瘍という分野に置いて、我々の手術方針は小さいものであっても腫瘍がある場合、そして手術によって摘出可能な物に関しては、できるだけ手術での治療をお勧めしております。腫瘍が大きくなってしまいますと、腫瘍は周囲の大事な構造に癒着する危険性が増え、また放射線治療が施されてしまうと、放射線の影響で更に癒着が強くなり、全摘出が困難になってしまうからです。

「悪性腫瘍」は腫瘍の成長が早くまた周囲組織に浸潤する性質があります。腫瘍伸展が早いため早期に症状が出やすいので、症状が出てから発見される事が多いですが、同時に腫瘍が浸潤してしまっているが為に、症状が出てしまっているという事は症状を起こしている部分には既に腫瘍細胞が存在してしまっている可能性が高いということを示唆しています。しかも頭蓋底という部分は非常に狭く小さな臓器であるにも関わらず、非常に大事な機能を有しているところであるため、その腫瘍を摘出する事はその大事な機能を有した部分を摘出することになります。すなわち大事な機能を失ってしまう可能性があるのです。

また腫瘍細胞の浸潤は肉眼では確認できないほど小さい細胞単位で浸潤しています。理論的に完全に全摘出することができません。これらは手術治療に向かない腫瘍であるため、化学療法、放射線治療など集学的治療を行える病院での治療をご紹介しております。